日本人に不足しがちな食物繊維は、しっかりと摂りたい栄養素です。チーズのカルシウムは吸収が良くおすすめです。ビタミンEは抗酸化作用があり、体の健康を維持してくれる栄養素です。油に溶けやすいので、油と一緒に調理することで吸収率も上がります。
年齢と共に衰える筋肉の一つに腹筋があります。衰ると内臓が下がってお腹が出たり、肋骨が開いてしまい呼吸が浅くなります。鍛えてお腹スッキリ!呼吸も楽々!
フレイルとは、健康と加齢による要介護状態の中間を示す言葉です。フレイル予防には日々の食生活が大切になってきます。今回はフレイル予防のための食事について、詳しく解説をしたいと思います。
「3食しっかり食べているのに痩せてしまう」、「気づいたら体重が減っている」ということはないでしょうか。年を重ねると食が細くなり、必要な栄養も取りにくくなりがちです。特に高齢では体重減少により、フレイル予防に欠かせない筋肉を失うこともありますので注意が必要です。65歳を超えたあたりからメタボ予防に気を付けつつ低栄養にならないよう意識した食生活を行い、フレイルを念頭に置いた健康作りを意識するようにしましょう。食事が摂れない、うまく噛めないなど介護が必要な状態になってから、健康であった以前の状態に戻るのは難しいと言われています。そのため、普段の生活の中で体重が減った、量が食べられなくなったなど、ちょっとした衰えに早めに気づき、フレイルの前段階から少しでも健康な状態を維持できると良いですね。
フレイル予防にはバランスの良い食生活に加え、たんぱく質も積極的に摂りたい栄養素となります。バランスの良い食事とは、主食としてご飯やパンなどの炭水化物、主菜として肉や魚などのたんぱく質、副菜として野菜やきのこ、海藻などを組み合わせた食事となります。お手本として、和食は主食、主菜、副菜と汁ものがそろっており、バランスの良い健康的な食事といえるでしょう。
たんぱく質は筋肉や細胞、血液など体をつくる重要な役割を担っています。特に高齢では、衰えがちな筋肉をつけるためにたんぱく質が必要不可欠な栄養素となります。たんぱく質から筋肉を作る効率は年を重ねるごとに低下するため、若い時と同じ量のたんぱく質を食べていても同じように筋肉がつくことはなく、やせ細ってしまうことが多いです。
体の細胞は日々代謝され、毎日古いものから新しいものへと作り替えられていますが、たんぱく質は食べ貯めができない栄養素のため毎日しっかりと摂るのが理想的です。目安としては、厚生労働省よりフレイル予防を目的とする場合、高齢者では1日体重1㎏あたり少なくとも 1.0 g以上のたんぱく質を摂取することが望ましいとされています。3食の食事だけではあまり食べられないという方は、食事を何度かに分けて食べる、おやつにたんぱく質の含まれているヨーグルトなどを摂るなど、毎日しっかりとたんぱく質を摂れるような習慣付けがおすすめです。たんぱく質は、肉類、魚介類、卵、乳製品などの動物性たんぱく質と、豆腐や納豆などの植物性たんぱく質の2種類があり、両方のたんぱく質を偏りなく摂るのがおすすめです。
バランスの良い食事とたんぱく質を意識した食生活で、フレイル予防を念頭に置いた生活へとシフトしていきましょう。
管理栄養士
津端奈緒美